JQAにおける校正業務の歴史は昭和38年3月に遡ります。輸出品の性能の維持、安定及び向上を図ることを目的に、電子機器及び部品の輸出検査に用いる計測器に限定して、高周波計測器の校正業務が開始されました。
その後、昭和40年代後半のトレーサビリティ思想の普及と、工業技術院電子技術総合研究所(現在、独立行政法人産業技術総合研究所)の技術指導によりJQAの校正業務は当初の高周波領域から、マイクロ波、エックス線、レーザ領域へと順次その範囲を拡大してきました。
一方、工業技術院計量研究所(現在、独立行政法人産業技術総合研究所)の指導をえて長さ計測分野は、昭和60年よりブロックゲージ、ノギス、マイクロメータ等を、また質量分野については平成7年度より分銅、おもりの校正業務を開始し、その技術は高い評価を得ています。
また、 計量法の検定業務として、騒音計、振動レベル計、大気濃度計の環境計測器の検定のほか、近年、湿度計、標準マイクロホン、パーティクルカウンタ、微風速計、ストップウオッチを行うとともに、分光光度計用光学フィルタ、標準マイクロスケールの校正及び熱量標準安息香酸の標準供給を行っています。
このように、JQAは国家標準と産業標準を結ぶ中間標準供給機関として長い実績を持ち、幅広い分野の計測器の校正を行っています。